中小企業に多く見受けられるのは「感覚的」に何事も行われているという事。
色々な業務や判断に於いて、社長を筆頭とするリーダーの“頭の中”が判断基準として存在し、会社を運営している。
この状態では万事「社長ありき」なので、常に社長に「あれはどうなっていますか?」、「これはどうすればいいですか?」、「こう言われましたが、どうすればいいですか?」等の連絡が入る。
そして、社長の気分が良い時は快諾即応するが、そうでない時は感情的になり周囲を不愉快にしたり、業務を滞らせることになる。
こんな状態の繰り返しに流石に社長自身が嫌気がさし、何とか「仕組み」や「ルール・基準」を設けようと一考を案じる。
この行動は大いに結構であるが、強いて言うなら「自分のため」。もっと言うなら、「自分の機嫌や体調・予定都合・業績が“いい時”のため」。
だから、運用し始めて、その前提が逆になると社長自らが「臨機応変」、「朝令暮改」などの変更や廃止を正当化する言葉を用いて“率先垂範”する。
こういった事が一度ならずも二度三度起これば部下たちは「いつも通りでいいいや」と諦めや呆れ、無責任な心情に陥る。
そして、悪循環のスパイラルに入る。
当たり前の話だが、ルール・基準は“みんなのため”に“平等に”存在するという事をリーダーは強く認識しなければならない。だからこそ、自分都合勝手に決めたり、変更したり、廃止したり等は許されないのである。
新しいことは直ぐに馴染まなくて当たり前。だからこそ、一旦決めたルール・基準は「継続は力なり」の通り、リーダーが時に口うるさく注意喚起し維持活動を行う事がその役割であり、この役割はとても難しい。
だからこそ、リーダーが“率先垂範”しなければならないし、“率先垂範”出来るからこそリーダーである。