文化庁が平成25年に行った世論調査では、「割愛する」は約65%の人が「不必要なものを切り捨てる」と間違えて認識していることが分かった。正しくは「惜しいと思う物を手放す」という意味である。
この例の様な誤解をした言葉遣いになっていないだろうか?
リーダーが会議の場で発言をする際、威厳を示そうとするばかりに普段の会話では使わない単語をキチンと調べず使っている場面にしばしば遭遇する。
そのリーダーだけの間違いならまだしても、それを聞いた部下たちが、リーダーが使った言葉を“正しい”、とか“カッコいい”と捉えてか、自分で語彙を調べる事もせずに間違えたまま使っているケースも少なくない。そうなれば、その社内では、その言葉が「公用語」となってしまっている。
誤解のまま難しい言葉を平然と話している状態は正しい語彙を知っている人から見ると痛々しくもあり、同時に、その人の知力を疑う。ましてや、その人がリーダー等の要職に就いているのであれば、その組織自体の程度が窺い知れる。
言い換えれば、リーダーは影響を及ぼす立場であるのだから、発する「言葉」さえも慎重かつ適切でなければならない。
平たく言うと、使う言葉一つも勉強したうえで使わねばならないという事。
本物のリーダーは昇格すればするほど自らを高めるべく勉学に励む。ナンチャッテ・名ばかりリーダーは勉学から逃避する。
リーダーである人は「話す」というスキルはそこそこ長けている場合が多い。それだけに、この点は良くも悪くも露呈しやすいという事。知らぬ間に恥をバラまいていないだろうか?