長年同一業種で働いたからといって“プロ”とは限らない

「この道30年です」、「ずっと〇〇畑でやってます」、なので、「プロです!」と主張する人がいる。

その業種に従事していない人と比較すれば、長年同一業種に従事している人は当然、知識や技術は上回っているだろう。

しかし、それを指して“プロ”と言うには無理がある。

 

同一業種内で比較するとどうだろうか?

その上でもトップレベルの知識や技術を有しているなら“プロ”と呼べるかもしれないが、正確には“スペシャリスト”である。

 

“プロ(フェッショナル)”と“スペシャリスト”の違いは、私の定義上、“プロフェッショナル”とは、「金銭を得て与えられた任務・役割を担い、然るべき結果を出す人」。“スペシャリスト”とは、「ある事柄に圧倒的に精通した知識や技術を有している人」である。

更に、“プロフェッショナル”は時として“スペシャリスト”を含むが、“スペシャリスト”は“プロフェッショナル”では決してない。

 

長年同一業種を経験しているからと言って、「圧倒的に精通した知識や技術を有している人」になれるだろうか?

本人自ら、自発的に自らの業種に関する知識や技術、情報を、同一業種のライバル以上に得ようと努力せねば身につくわけがない。

平たく言うと、同業者から一目置かれる状態になっていれば“スペシャリスト”と呼べるであろう。

 

先述通り、“プロ”とは、「然るべき結果を出す人」なので、「然るべき結果」の程度は「報酬」によって示される。

敢えて言うと、給与所得者は「給与」という「報酬」を得ているので“プロフェッショナル”と言える。しかし、その額に高低があるという事は「然るべき結果を出せる能力の高低」と言える。

どの程度の“プロ”なのか?ピンキリである。

 

冒頭の「この道30年です」だから“プロ”です!は、長年経験しているという「量」は事実としても、「質」は必ずしも比例しないので“プロフェッショナル”とも“スペシャリスト”共に、言うには無理があるのである。



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